- ————まず、ご自身の中でカリーノ・コニとは作品はどういうものでしょうか。
- 関:まったく触れたことのないタイプの作品で、最初予想もつかない感じでした。もう本当に指示を受けるままに、なんとかイメージに近いものを出さなきゃっていう気分で臨んでいたんですけど、完成したものを見たらとてもかわいくて、ああなるほどなと。作る側は大変だと思いますけど、もっといっぱい見たいなっていう感じの作品でした。
- ————挑戦的な作品であったというか。
- 関:そうですね。なんか演じる側としても、挑戦的な作品でしたね。その言葉が存在しない言葉にしないといけなくて、いろいろ試行錯誤して組み合わせるんですけど、どこかの言葉に似ちゃうんですよね。自分なりにコツをつかむまでに結構苦戦しましたね。
- ————コニは5歳くらいの男の子ですが、もしご自分にコニのようなお子さんがいたらどう思われますか。
- 関:ああ、でもやっぱなんか、子どもらしい子どもだなっていう感じがするので、はたで見てる分には楽しいのかなっていう。自分のところの子どもがああだと、ひやひやして気が休まらないと思いますけど(笑)。
- ————自分の気持ちに正直で、あまり他人のことは考えてないみたいな。確かにひやひやっていうのはわかりますね。
- 関:本当、子どもらしい子どもっていう。なんか子供の頃町にいた、いたずらっ子みたいなそんな感じなイメージです。
- ————自分の欲求に忠実っていうかね。
- 関:はい。
- ————また、実際コニのようなお子さんは身近にいらっしゃいますか?
- 関:いや、どうかな。でも最近みんな外で遊ばなくなりましたしね、公園で子どもが遊んでる姿とかも随分見かけなくなりましたから。ちょっと寂しいなっていう感じはしますね。
- ————最近世の中、物騒だし、親御さんも心配しちゃうし。
- 関:おうちで遊んでなさいみたいな。
- ————でも最近はテレビの前に子どもっていないんですって。
- 関:そうなんですか。どこにいるんですか?
- ————塾通うとか。
- 関:ああ、なるほど。
- ————忙しいらしいですよ。
- 関:大人並みに、いろいろとやってるんですね。子どもらしいことを逆にやらせてあげたいですね。コニみたいな。
- ————そういう意味では、コニっていうのは、子どもらしさを追求した作品だったので、そうお考えいただけるとうれしいですね。
- 関:はい。
- ————作品ではお一人で何役もこなしていただいたり、カリーノ語の創作など厳しいお願いをさせていただきましたが、難しかったり楽しかったりいろいろお話いただければ。
- 関:そうですね。でも、やったことないことをやるっていうのは、とても楽しいことだったんですけど、なんか思っていた以上に大変でした。僕、結構楽観主義なのでなんとかなるかなと思ってやり始めたんですけど、意外にこう、厳しい。イタリア語がモデルになってますけど、でもそこには似せずに、日本語でもなく、でも逆に組み替えるとちょっと中国語に似ちゃったりとか、別の意味の言葉になっちゃってますというようなこともありましたね。途中から日本語だとこういう意味合いだという台詞が台本に書いていただいたので、それを逆さから読むようにしたり、全く全部逆さまにしてちゃんと読んじゃうとばれちゃうので、逆さまにしたのをベースにちょっとこう言葉を入れ替えつつ、自分なりのカリーノ語の早作りというか、途中からそんなコツを勝手に自分で見つけましたね。
- ————苦労が多かったってことですね。言葉は作るし、監督からニュアンスの指示が出るわで。
- 関:そうですね。その分出来上がったものは楽しいものになったのかなと思います。出来上がりを見てて、こんな言葉しゃべったかなっていう。もう二度と同じ言葉はしゃべれないですね(笑)
- ————好きなキャラクターいらっしゃいますか。
- 関:そうですね、みんなかわいいのですが、仕事していると生活のリズムがせかせかしている部分もあるので、ちょっとのんびりしていたいなと思うので、ファビオでしたっけ、あのクマ?
- ————クマはフランコ!
- 関:そっか、フランコか(笑)。フランコのような感じでのんびりのんびりがいいかな。
- ————のんびりでちょっととろい感じですからね。
- 関:そうですね、自分がなるならあういう感じのほうが楽しくていいなあと。なんか万事、なんでも前向きにとらえそうな感じがして。
- ————収録前にテンションを上げるために何かしていることはありますか?
- 関:なんかただひたすら「知っている言葉を話してはいけない」って言い聞かせながら、やってきています。毎回、はい。
- ————(笑)
- 関:あ、あとテーマ曲が耳に残る明るくて陽気な曲なので、このテーマ曲をなんとなく頭の中で口ずさんでテンションを上げるようにしています。
- ————なるほど。
- 関:とっても歌詞も単純ですし、収録してしばらくは、ついつい♪ピザ パスタ ピザ~って唄ちゃってる感じです。
- ————ファンの皆さんにカリーノ・コニの一押しポイントと、メッセージをいただけるとうれしいのですが。
- 関:そうですね、一押しのポイントはやっぱりもう、このすごく入念に時間をかけて作られた綿密な画作りが一番見どころなんではないかなという風には思いますし、CGとそのミニチュアとっていう組み合わせ、ここに尽きるんじゃないかなっていう。自分で完成品をテレビで見てもやっぱり、すごいなあと、毎回想像を上回る繊細さにびっくりしてしまうという。
- ————ファンの皆さんへは。
- 関:はい。なんかこう普段、会社とかでいろいろ疲れたり学校で疲れることもあると思いますけど、『カリーノ・コニ』で気持ちを遊ばせて少し癒されていただけると嬉しいなという風に思います。
- ————アベ監督に関してなんですが、関さんは、他のお仕事でもご一緒されていて、自主映画も一緒に作られてますから、今更って質問なんですけど今回のアベ監督はどうでしたでしょうか。
- 関:はい。今回はとてもかわいいアベさんでした(笑)。僕もいろんな監督さんとお仕事させて頂いているんですけど、ここまで深くいろいろお話したりした監督さんっていうのも数少ないんです。その中でもアベ監督って作られる作品の幅の広さっていうか、それに毎回驚いていています。最初の出会いがウルトラマンからでしたので、そういう特撮から、ハードなSFものだったり、でちょっと人情話みたいなところにも感覚が向いていたり、挙句の果てっていったらあれですけど、こんなに子どもらしいかわいい女の子のような感性のものを、同じ監督が全部作っているのかと思うと、すごいなあと思って。そのバイタリティと見識の深さ。毎回感心させられるという感じです。はい。
- ————コニのシリーズの中でも、いろんなテイストの作品がありますからね。
- 関:はい、そうですね。本当にすごいと思います。
- ————ありがとうございます。
名前 : 関智一 |