- ————どうも藤村さんお疲れ様でした。収録終了ということで、今日はいろんな思いをお聞きしたいなと思っています。最初に、藤村さんの中で、カリーノ・コニという作品はどういう作品でしょうか。
- 藤村:新たな挑戦もさることながら、とても大切な、「私史」にとても色濃く残る一作になりました。ミニチュアの撮影現場にお邪魔した時に、たくさんの人たちで作っているんだなと、私は、俳優というか、声をあてる仕事の分野を担っているだけで、本当にこう皆さんで作っているのを実感できる作品だったので。
- ————通常アニメ制作では現場に行かないですもんね。
- 藤村:そうですね、今回はその、制作現場を見ることが出来たのも大きかったですね。はい。
- ————コニは5歳くらいの男の子なんですが、ご自分にコニのようなお子さんがいたらどうでしょうか。
- 藤村:まあ、ぶっちゃけ大変でしょうね。とってもやんちゃで、ただ、こどもって大概こんな感じだったりするんですかね。私もまだ出産もしておらず、子育てもしていないので、わからないのですが、すごく元気でなおかつ、こう天真爛漫というか、でもさみしい気持ちもあって、とってもかわいい、大変だけどかわいいと思います。
- ————大変ゆえにかわいい。
- 藤村:大変ゆえに、そうですね。8歳の犬が我が家にいるんですけど、もうちょっと若い時というか、3歳とか4歳くらいの時はいたずらもすきだし、とにかく遊ぶのが好き、でもさみしがりやみたいなとこが共通点があるかなと思って想像しながらみたりしていました。
- ————やっぱり男の子っていたずらしますよね。
- 藤村:しますね、うちの犬も男の子なんですけど、やっぱいたずら好きで、そういう子供らしさ、変に、生意気だけどかわいいみたいなところは、実際子供がいてもそうなんだろうなと想像しました。
- ————大人の常識とは全然違うところで動いていますよね。大体、他人の気持ちを考えないで、自分の気持ち本位で動いていくってことありますよね。
- 藤村:なんかその視点というか、子供ならではの視点とかもちゃんと反映されていて、想像していたのがやっぱり動くと、かわいらしいですよね。
- ————それは実際映像を見たときに?
- 藤村:映像を見たときに、やっぱり台詞だけではわからないところを、動きでも見せる作品なので、それを見たときに、やっぱりかわいいなと思いました。
- ————実際にコニのようなお子さんがいらっしゃいますか。
- 藤村:これはですね、まだいないですね。うちの犬以外にはいないですね。実際の人間の子どもとしてはいないです。
- ————今回は、お一人で何役もこなしていただいたり、カリーノ語の創作とか、厳しいお願いをさせていただいたんですが、楽しかったとか、難しかったとか、その辺の思いをお聞かせください。
- 藤村:最初はやっぱりカリーノ語が、難しかったです。一番大変だと思ったのは、オーディションの時ですかね、そういうことをやっていただくかもというのはうっすら聞いた状態で、オーディションに行ったんですけれど、実際にやってみようとするとすごく大変で難しいなと思いました。後半は逆に、ややイタリア語に慣れてきてしまって、カリーノ語にならず、うっかりイタリア語をしゃべってしまうっていうところに難しさを感じましたけど。
- ————だんだんイタリア語が話せるようになったと。
- 藤村:なんか話せるんじゃないかという錯覚すら覚えました。絶対しゃべれないですけど。読めてしまったり、耳で聞こえてしまったのを、アレンジすることが後半は難しいと感じましたし、基本的にはかわいい作品なので、やってる最中はとにかく楽しかったです。トビーをやらせていただいている最中は楽しいことしかなかったですね。
- ————トビーは重要な役どころでしたからね。
- 藤村:はい。
- ————好きなキャラはいらっしゃいますか。
- 藤村:それはもちろん、いくつかやらせていただいていますが、トビーが一番好きです。やっぱ愛情が入ってしまって。
- ————自分自身感情移入して。
- 藤村:トビーというキャラクターが、やっぱりすっごくかわいく、いいやつじゃないですか、とても。そことか、やっぱサイズ感。はじめ小さいキャラクターの声を出すっていう難しさがはじめあって、苦労したのを覚えているんですけれど、やっぱりとにかくかわいいっていうところに惹かれました。
- ————トビーかわいいですよね。
- 藤村:はい。でも他も、タオとか、大好きですけど。
- ————自分で演じていないキャラで気になったキャラクターとかいます?
- 藤村:そうですね、やっぱりコニですかね。
- ————コニね、ですよね。
- 藤村:気になりますね、やられてもやられても、笑っちゃう、うれしいっていう、このМキャラ(トビー)ていうか、かわいいですね。
- ————収録前にテンション上げるためになにかしていますか。
- 藤村:そうですね、力が入ってしまうとトビーを演じずらいので、かといって寝起きでできるわけでもないですけれど、無駄に構えない、逆にテンションを変に上げないということを意識していました。なんか頑張りすぎないというか、頑張るとトビーではなくなってしまうので、その辺の調整はなんとなく今日はトビーの収録だと思うと朝はちょっとゆったりトビー的に過ごすっていうんですかね、ゆるりと過ごして、やんわり入っていくという感じにしていたつもりです。
- ————カリーノ・コニの一押しポイントを教えてください。ファンの皆さんに一言。
- 藤村:これはやっぱり、映像。ミニチュアと、キャラクターのCGとの奇跡のコラボというか、あまりにもきれいですし、かわいいです。声を入れているので、声を一押しにしたいところでもあるんですけど、ファンとしては毎週テレビで見てやっぱりきれいだなとか、かわいいなとか私が思うので、そこがやっぱり一押しポイントですかね。やっぱすごいです。ミニチュアの現場見てることもありますけど、照明がきれいとか、本当に実際に作ってあるのだろうかと思わせる、技術の高さにはもう圧巻です。創りの精巧さ。
- ————細かく作ってありますからね。
- 藤村:本当にもう頭が下がります。
- ————そこに入るCGのキャラクターも、さもそこにいるようなのですごいですよね。そんな大変な作業をやっていたアベ監督に関しての感想を聞かせてください。
- 藤村:すごく平たく聞こえちゃうと嫌なんですけど、とってもやりやすかったというか、何と言ったらちゃんとこの気持ちが伝わるかな。信頼できる監督です。アベさんの中に明確なイメージがあって、それを指示してくださるので、イメージと違うことをした時のアドバイスしてくださる言葉のチョイスとか、そこに絶大な信頼がありました。もう任せられる、言ってる通りにこちらがやればコニの世界観に合うんだなっていう。初回の、オーディションの時もちょっと思ったんですけど、初回の収録の時に、すごく信用できる方だなっていうのがあって、もう寄りかかってやっていました。なので、とても楽しかったし、無駄な緊張がなかったので、トビーをやるにあたってもやりやすかったです。極度の緊張で、良いものが、自分らしさが出せない現場とかも、あったりするんですけど、そこもすごくメンタル的部分でもリラックスさせていただき、導いてもらえたのでとても素敵な監督でした。
- ————アベ監督からまたオファーがあったらやってみたいですか。
- 藤村:二つ返事で、はい、やりますっていきます。ご縁でこの素敵な作品にめぐりあえたこともうれしいですね、奇跡に近いなと思っています。この「カリーノ・コニ」の一部を担えたことがうれしいなと心から思えた作品でした。
- ————ありがとうございました。
- 藤村:ありがとうございました。
名前 : 藤村知可 オフィシャルサイト |